ポバールは化学品名をポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)といい、合成繊維ビニロンの原料として世界に先駆けて我国で工業生産が開始された水溶性の合成樹脂です。
ポバールは今日、そのユニークな性質を活かして、合成繊維ビニロンの原料のみでなく、フィルム及びアセタール樹脂の原料、繊維加工剤、接着剤、塩化ビニルの重合安定剤、無機物のバインダーなどの用途に、国内外において広い範囲で利用されております。
J-ポバール(弊社ポバール商標)は、大別して顆粒品と粉末品の2種類があります。
種別
顆粒品(Jタイプ)
粉末品(Vタイプ)
形状写真
特徴
・取扱いが容易
・
純度が高い(揮発分及び酢酸ナトリウムが少ない)
・
酢酸臭及び熱変色が少ない
・
デンプンなどセルロース系樹脂との相溶性が良好
・
嵩が高い、また、微粉品は繊維状突起が多い
主用途
・一般工業用途全般
・
フィルム
・
化粧品原料及び医薬品添加物
・
紙加工剤(クリヤーコート、内添バインダー)
J-ポバールは酢酸ビニルモノマーを重合し、得られたポリ酢酸ビニル樹脂をケン化することにより製造されます。J-ポバールのさまざまな銘柄は、主に重合度およびケン化度を制御することにより製造されています。
重合工程
重合工程では、メタノール溶媒中で酢酸ビニル(VAc)を鎖のように幾つもつないで、ポリ酢酸ビニル(PVAc)にする反応を行います。この工程で酢酸ビニル分子鎖の長さ(重合度と言います)を調整します。重合度によってポバール皮膜の強度や水溶液の粘度等が大きく異なります。また、この工程で他のモノマーを共重合することによって、特性の異なるポバールを作ることも可能です。
ケン化工程
ケン化工程では、メタノール溶媒中でアルカリ触媒を用いてポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置換し、ポバールにする反応を行います。この工程で水酸基の量を(ケン化度と言います)を調整します。ケン化度によってポバールの溶解性及びポバール皮膜の耐水性が大きく異なります。
※ケン化度(モル%)=(水酸基)÷(水酸基+酢酸基の数)×100
回収工程
回収工程では、重合・ケン化工程で使用又は副成した溶剤を精製・回収し、再使用しています。